AIで作った動画に「AI」と表示は必要?——TikTok・YouTube・Metaの3社のルール
AIで動画を作ったとき、「AIで作りました」と表示する必要があるのか。結論から言うと、TikTok・YouTube・Meta(Instagram/Facebook)の3社とも、本物に見える人・場所・出来事をAIで作ったり変えたりしたときは表示が必要です。ただし「どこまでが対象か」と「どうやって表示するか」は3社で違います。この記事では、3社の公式の説明を引いて、要る場合と要らない場合、投稿画面でどこを押すかを整理します。
目次
結論:3社とも「本物に見えるもの」を作ったら表示が要る
共通しているのは、「実際には起きていないことを、本物のように見せる映像」が対象だという点です。
| 表示の名前 | 自分で付ける | 自動で付く | 公式の説明 | |
|---|---|---|---|---|
| TikTok | AI生成コンテンツ(AIGC)のラベル | 必要(リアルなAI生成には義務) | あり(C2PAの目印を読む) | TikTok Newsroom(2024-05-09) |
| YouTube | 変更または合成されたコンテンツの開示 | 必要(アップロード時のチェック) | 一部あり | YouTube ヘルプ |
| Meta(Instagram/Facebook) | AI info(旧 Made with AI) | 必要(自己開示) | あり(業界共通の目印を検出) | Meta Newsroom(2024-04) |
【事実】上の表の内容は、各社の公式ページに書かれているものです(2026-10-01 確認)。 【注意】規約は変わります。投稿する前に、投稿先の最新の説明を見てください。この記事の内容は、確認した日の時点のものです。
YouTube——「要る例」と「要らない例」が公式に書いてある
YouTubeは、具体例をヘルプに並べているので、いちばん判断しやすい3社のうちのひとつです。
開示が必要な例(公式に挙がっているもの)
- AI生成の音楽
- 実在する場所の追加映像(旅行動画に、実在の場所のAI生成映像を足すなど)
- 実在する人物のリアルな映像(実在する2人のプロテニス選手の試合など)
- 実際には言っていないことを、言ったように見せる
- 著名人の偽の映像(やっていない行為をしているように見せる)
開示が不要な例(公式に挙がっているもの)
- 非現実的なもの(ユニコーンに乗って幻想的な世界を旅する人物など)
- 美顔フィルタ
- 自分の声を複製したナレーションや吹き替え
- 背景のAI生成・拡張
ラベルがどこに出るか
- 写真のようにリアルなAIコンテンツ=動画プレーヤーの上にラベルが出ます
- 非現実的なものやアニメーション=説明欄を開いたときに出ることがあります
分かれ目は「リアルかどうか」です。 見た人が本物だと思う可能性があるかどうか、で考えると判断しやすくなります。
TikTok——自分で付けるのに加えて、自動でも付く
TikTokは2つの仕組みを並行して動かしています。
- 自分で付ける。 リアルなAI生成コンテンツには、クリエイター自身がラベルを付けることが義務づけられています。付けやすくするための専用の機能があり、公式の発表(2024-05-09)の時点で3,700万人以上のクリエイターが使ったとされています
- 自動で付く。 2024年5月9日から、ほかのサービスで作られたAIコンテンツにも自動でラベルが付くようになりました。仕組みは C2PA の Content Credentials という、画像・動画・音声に埋め込まれる業界共通の目印を読む方法です
つまり、自分で付けなくても付くことがあります。 自分で付けないまま自動で付くと、「隠そうとした」ように見えるので、作った側が最初から付けるのが安全です。
Meta(Instagram/Facebook)——ラベルの名前は「AI info」
Metaは、ラベルの名前を途中で変えています。
- 当初は 「Made with AI」
- 2024年7月に 「AI info」 に変更。公式の説明では、「この目印に基づくラベルが、people の期待と必ずしも合っていなかった」ことが理由とされています
付く条件は2つです。
- 業界共通のAI画像の目印を検出したとき
- 投稿した人が「AI生成コンテンツをアップロードしている」と自分で開示したとき
広告で使う場合は、別の設定が要ることがあります。 作成ツール側に目印が入っていても、それだけでは広告の開示にならないという整理になっているため、広告として配信するときは広告の管理画面側の設定も確認してください。
迷ったときの判断の順番
次の順で考えると、だいたい決まります。
- その映像を見た人が、本物だと思う可能性があるか。 無ければ(明らかなアニメ・イラストなど)、表示は要らないことが多い
- 実在の人・場所・出来事を映しているか。 映しているなら、表示が要る
- 実際には言っていないこと・やっていないことを見せているか。 見せているなら、必ず表示する
- 迷ったら付ける。 付けて困ることは、3社の公式には書かれていません。付けずに自動で付いたときのほうが、説明が難しくなります
【意見】この4番目は、当社の運用の方針です。規約がそう定めているわけではありません。
AIアバターが話す動画は、3社とも表示が必要です
本人の顔と声でAIアバターを作り、それが話す動画は、「実在する人物のリアルな映像」そのものです。
- YouTube:開示が必要(実在する人物のリアルな映像・実際には言っていないことを言わせる、のどちらにも当たります)
- TikTok:ラベルが必要(リアルなAI生成コンテンツ)
- Meta:開示が必要(自己開示の対象)
本人の同意があっても、見る人にとっては「本物の映像かAIか」が分からないので、表示の必要性は変わりません。同意は出演者との話、表示は視聴者との話です。2つは別のものとして両方そろえてください。
ついでに決めておきたい3つ
表示のルールとは別に、人の顔と声をAIにするときは、次の3つも先に決めておくと後で揉めません。
| 決めること | なぜ要るか |
|---|---|
| 本人の同意を、どの形で残すか | 口頭だけだと、辞めたあとに確かめられません。同意の動画や書面で残す |
| その人が辞めたとき・撤回したときにどうするか | アバターと声のデータを消すのか、納品済みの動画は使ってよいのか |
| 業種ごとの広告の決まり | 薬機法・医療広告ガイドライン・景品表示法など。AIかどうかに関係なく、話す中身にかかります |
まとめ
- TikTok・YouTube・Metaの3社とも、本物に見える人・場所・出来事をAIで作ったら表示が必要です
- YouTubeは「要る例・要らない例」を公式に並べているので、判断に迷ったらまずここを見るのが早いです
- TikTokとMetaは自動でも付きます(C2PA などの目印を読む)。自分で付けないまま付くと説明が難しくなります
- AIアバターが話す動画は、3社とも表示の対象です。本人の同意があっても変わりません
- 規約は変わります。投稿する前に、投稿先の最新の説明を確認してください
当社の アバティファイ では、ご本人の同意の動画をいただいてからアバターを作り、投稿するときの表示の設定もあわせてご案内しています。
- AIアバター動画の全体像は AIアバター動画とは——できること・できないことと、頼むときの7つの確認
- 顔を出さない方法そのものは 顔を出さずに動画を出す4つの方法
この記事についてよくあるご質問
AIアバターが話す動画は、表示が必要ですか?
必要です。本物の人に見える映像をAIで作っているため、TikTok・YouTube・Metaの3社とも表示の対象になります。投稿画面にある「AIで生成したコンテンツ」の設定をオンにしてください。
AIで字幕やナレーションだけ作った場合も表示は必要ですか?
YouTubeは、自分の声を複製したナレーションや吹き替えは開示が不要な例として挙げています。一方で「AI生成の音楽」は開示が必要な例に入っています。ツールや使い方によって変わるので、投稿先の最新の説明を確認してください。
表示しないとどうなりますか?
3社とも、表示せずに本物に見えるAIコンテンツを投稿することを規約で認めていません。プラットフォーム側が自動で見分けてラベルを付ける仕組みも動いています(TikTokはC2PAという業界共通の目印を読んで自動で付けます)。
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